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老年よ、大志をいだけ

老年よ、大志をいだけ
                                               博慈会 老人病研究所 所長 福生吉裕

 老年です。老人ではありません。65歳以上を老年期とすれば今や人口の25%をしめます。約3200万人。平均寿命は男性81.才、女性86才。平均余命は男性で19年、女性では24年間もあります。さて、どうしましょうか。考えると長くもあり短くもあります。やり残したことはないか、これからさてどうするか。よく考えるとこれまでのモデルでは当てはまらなくなってきております。なぜなら日本では65歳以上の方が7%から14%になるのに25年で達してしまいました。ヨーロッパでは約100年をかけて徐々に到達したのに、日本では四分の一の期間で急速になってしまいました。いいのか悪いのか。高齢社会生活の心構えやシステムがうまく出来ていないのに急に高齢社会に突入したと言うことです。心の余裕や社会の仕組みが整ってないままに高齢社会に突入したと言うことです。いわばあっという間にお爺ちゃんになった浦島太郎現象が団塊となって来たのが今の日本と言えるでしょう。その後の浦島太郎はどうなったのでしょうか。物語では定かではありません。

【一人一人がモデルです】
 一方国民総医療費は41兆円にまで達しました。今後の少子高齢化に伴う労働人口の低下がせまり、団塊世代が75歳に達する2025年には54兆円に達するとされています。このままでは社会保障システムの維持ははなはだ困難な事が考えられます。せめて国民皆保険制度は次の世代まで残したいもの。それには“老年が大志を抱いて未曾有の世界に突入する勇気こそ大事である”と思います
では大志とは何を言うのでしょうか。それは“死ぬまで活きる”のです。活き活きとして動き、出来れば税金を払って活きたい。私の父は95歳で亡くなりましたが、たばこも吸い、簡単な料理も作って下りました。流石に医師としては働けなかったですが夫婦で何とか自立して生活して下りました。80歳代では旅行、俳句、茶道具を好み子供からの扶助は受けなかった。少しの恩給を受け、サラリーマン医師の私の収入をあてにはしていなかったと思います。葬儀の費用も別に貯えてあったので私の負担は少なかったのです。今思うと“子供はあてにしない”という大志を持った父親であったと思います。
【医療費の世代間格差を少なくする努力を】
 ここで全国の入院ベットの占有率を見ると1984年では75歳以上の後期高齢者は約2割でしたが2011年ではほぼ半数のベットが後期高齢者に埋められています。団塊の世代が75歳以上になる2025年では患者層は一変してしまうのもうなずけます。現に2011年の医療費の三分の一は後期高齢者が消費している状況です。そして2025年には75歳以上が半分を消費すると予測されています。この時になるとあの経済学者のピケティ博士もびっくりの世代間の医療費負担の格差が問題となってくるのは火を見るよりも明らかでしょう。若い世代から後ろ指を指されて生きたくはないです。高齢社会は幸齢社会でありたいものです。

 意識が無いのに胃瘻や人工呼吸器による延命はご免こうむります。きちりと「無駄な医療は行わなくていい」とリビングウイルに示しておこきましょう。それまでは自分の身体は自分で守っておくようにお勤めします。そのガイドラインとして考えられるのが未病の概念です。誰でも60歳をすぎればどこかガタが来るモノです。健康と病気の間に未病の状態がありそれが続くのです。痛くも痒くも無いのが未病の状態です。自分の身体に鋭くなっておけば未病が見えてきます。慌てず受け止め、病気にむかわしめないように、努力をする事が出来ます。これが未病ケアであり、ここに大志を見いだすのも団塊世代の知恵ではないでしょうか。老年よ大志をいだこう。

 さて老化を規制する二次的な大きな2大要素が見えてきました。一つは社会的成熟です。経済力、医療の充足、栄養問題です。日本の平均寿命が延びたのも、乳幼児死亡率の低下などに貢献した医療の向上と栄養の改善がまず挙げられます。それと第二は個人的要因です。これはストレス、過労、暴飲暴食、アルコール、煙草、運動不足などの自己管理が影響するものです。この二つの要素が個体の老化速度およぴ寿命に影響を与えます。
 さてもう一つ大事なモノがあります。第三の要素として述べたいのは、病は気から、老けも気から来る要素が多分にあるということです。身体的老けは医療専門者に任せてよろしいでしょう。要は老い方の質の問題です。Qualty of Lifeという言葉がいわれています。ただ生物学的寿命が延びて100歳を超えても、寝たきりの状態では意味がありません。若いものから信頼され、相談になり、いつも明るく、自己に自信のある老人になりたいものです。そして何でも話せる異性が隣りにいればなおよろしい。即ち健やかに老いることです。若い者から話が分かる人と言われたいものです。これには日頃からいつでも若者の心であることが肝心です。この点において綱の会は歴史への探求心の満足感と四日市の町へのささやかな貢献をしていると自負できる事です。わいわいがやがやと話しがつきません。即ち心は青春でありたいですね。すばらしい詩がありますからここで、ご披露しておきましょう。いかなる妙薬にもとって代われる薬かも知れません。

青春の詩

 「青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。優れた想像力、たくましき意思、燃ゆる情熱、怯懦を退ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。歳を重ねただけでは人は老いない、理想を失うときに初めて老いが来る」。

 サミエル・ウルマンの青春という詩の書き出しです。それを岡田義雄が訳したものです。
 マッカーサー元帥もフィリッピンの苛酷な戦いに疲れた時この詩を読んで自分を取り直していたと聞きます。元気が出てくる詩であります。その通りだと感じられる方は大丈夫。
 まさしく老けるか老けないかは、自分の心の中に「青春」を持つか持たないかにあるでしょう。

                        

                                                         平成29年4月16日
                                                         四日市総合会館で講演



          

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国民皆保険制度を世界無形文化遺産に

 昨年の暮れ、嬉しい事があった。“和食”が国連教育科学機構(ユネスコ)の世界無形文化遺産に登録されたことだ。この登録は日本人としての自信と誇りにも大いに繫がった。
 さて、日本人の誇りといえば国民皆保険制度がある。これこそ世界無形文化遺産として認められてもいいのではないだろうか
【推薦の理由】
推薦したい理由は二点ある。一点は国民皆保険制度は1961年日本が世界に先駆けて成し遂げた快挙であり、国民の安心と健康増進に深く寄与している。これを後世にまで続けてもらいたいからである。もう一点はどうやらイエローカードがちらつき始め、中には崩壊寸前という識者も出てきたからである。 2014年では総医療費は42兆円となり、2025年には50兆円を優に越えるという推計がある。国民皆保険制度を“健康を守る城”と見なせば少子高齢化、高額医療、TPPなどは“黒船の到来”といえる。さらにこの皆保険制度を支える大黒柱である健保組合はその8割以上が赤字である。確かにこのままでは空洞化で立ちゆかなくなるのは自明の理といえる。そこで早めに無形文化遺産に登録しておくのはいかがであろうか。

【空洞化、第三の原因】
 なぜ危なくなって来ているかの理由はもう一つある。それはこの近代社会保障制度の基をたどれば、19世紀のドイツで当時の宰相ビスマルクと大病理学者であるウイルヒョウで創られた事に由来するからだ。“病気の人を社会でもって救済する”という制度であり、これがひいては経済的に国を豊にした。アメとムチの政策とも言われたが当時として賢明な政策であったといえる。 しかし注目しておきたいのは“病気の定義と病人の数の設定”にあった。ウイルヒョウにより定義される病気とは細胞の病理を指し、顕微鏡で分かる範囲に病気の数は限定されていたと考えられる。すなわち提供する疾病保険額も一定の率であり想定内で収まっていた。
1880年当時、病名数は約2000件ほどであった。それが2011年にはICD分類によると23522件に膨張している。保険でカバーする病名が約10倍にも増えて来てしまったのだ。
【社会保障制度のパラダイムシフト】
 超高齢社会を迎えた現在、社会保障制度のモットーとしては、“病気に成れば保険でカバー出来、安心ですよ”的発想は今や社会保障システム上、分岐点に来ているのではないだろうか。
 病気になる前から自己管理をする事にインセンティブを与えるシステムの方が次世代にあった社会保障制度であろう。
“健康と病気とは連続している”というシームレスな発想に立脚したセルフメディケーションのケアー化の考え方である。社会保障制度も人口構成の変化に伴って進化が求められてくる。その意味でも今の国民皆保険制度を世界無形文化遺産として早く登録をしておきたいものである。

未病的電疲女は職場キャピタルの指標

電疲女が増えているという。パソコン業務が多い女性に発生率が多いという。都市伝説なのだろうか。そういえばビル診で健康診断をしていると若い女性の訴えを聞くことが多くなった。
 「夕方になると足がむくむ、毛が抜けやすくなった、肩が凝り、頭が重い、肌が荒れる、胃もたれ、立ちくらみが時々起こります、頭痛、足の冷えを感じます。」という訴えだ。 特に多くなったのが目が霞む、焦点がぼける、コロゴロしている、涙が出やすくなったり乾いたりする。ツバが出ない、鼻が出る、これらは何も花粉症の時ばかりではないのだ。電疲女症候群なのだ。

オフィスシステムが合理化されて沈黙のオフィスが多くなった。従業員同士で仕事中におしゃべりはしない。簡単な伝達事項についても同室内でメールでやり取りである。証拠は残るが心情の綾は残らない。人との交流に五感が使われていない。ほとんど動かず静かなのである。それに比べてわが病院のナースステーションにおける声の交流は激しい。もちろん患者さんの状態、カルテ、医師との連携に使われる生の声の応答である。それに看護師さんは動く、動く。

 同じ年齢の女性においても職場環境の違いでカロリー消費量にかなりの相違が出てくる。ソーシャルキャピタルならぬ職場キャピタルである。それぞれの職場で健康上の格差が生じているのだ。個人差はあるが心理的ストレスの出し方と受けとり方でも職場で偏りが出てくる。女性は特に影響を受けやすい。これら微妙な違いが時に連鎖として病気の発症のバラエティーを作る。

 未病には「自覚症状はないが検査をすれば異常が出てくる西洋医学的未病」と「自覚症状はあるが検査しても異常が出てこない東洋医学的未病」の二つがある。この分類で行くとこの電疲女症候群は東洋医学的未病にあてはまるのではないだろうか。職場キャピタルが高いか低いで未病の発症は大いに違ってくる。
 実は自覚症状が多彩に表現される職場は職場キャピタルが低いといえる。中には放っておくと深刻な病気の基になりやすいのも含まれているので注意が必要である。職場キャピタルをあげる工夫が必要である。これにはパソコンとの上手な関係を作ることがポイントである。高林克枝氏の「オフィスの電疲女」はそこの所が痒いところに手が届くように書かれている。是非一度手に取られて電疲女からの脱却をはかられたい。電疲女率が高いことは職場キャピタルが低い事の指標となるからである。

どきどきの未病医学

① どきどきのススメ
  いいどきどき、悪いどきどき


 どきどきとは単に心臓の異常鼓動を指すのではなくてこころの躍動感をさすのだ。どきどきにはいいどきどきと悪いどきどきがある。年齢を経るにつれてこころの感動は少なくなり、心臓の収縮力は落ち、それに伴い心臓のリズムが乱れてくる。これが悪いどきどきである。階段を上がる時に心臓の鼓動を感じるようになる。坂を登ると息がきれる、眠っていて突然どきどきが生じる時もある。これらは老化型どきどきであり悪いどきどきである。
このシリーズは心臓の躍動感が低下してきた頃の世代を対象にして、こころのどきどきを蘇えさせることで心臓の老化型どきどきを抑えていこうというシリーズである。

こころのどきどきを積極的に揚げていくことで心臓の悪いどきどきは抑えられるものだ。感動的などきどきは血管を広げ心臓への負担を軽減し、脳血管の血流の増加をなす。自分自身を再発見した時にどきどきが生まれる。仕事人間で家庭のため、子供のために働いてきた時間を今度は自分の為の自分発見の時間に向けて見てはどうだろうか。これだけで新たなどきどきが見つかる場合がある。
「これは初めてだった。これまで知らなかった、新しい経験だ」少年少女だった頃、当たり前に感じた新規の体験の喜び、これからは積極的に求めていくどきどき勇気が大事である。新しいモノを知った自分、味わった自分、こんな時にいいどきどきが生じる。この自分発見のどきどきは心臓病を少なくして認知症の予防にもつながる。

 どきどきするのにそんなに経費はかからない。ぶらりバスに乗って来たこともないバストップで降りてみよう。見たこともない路地や商店に気づくであろう。貴方のことは誰も知らない。これだけで脳の血流は上がっている。その街を散歩しながら周囲の風物に関心を持ち、花の名前を覚えたり、家の造りに関心を持ち商店の飾り物や、値段に感動をしても良い。そして通りすがりの人に声を掛けてみよう。何かを訪ねてみよう。「この橋のたもとの街は何ですか」かすかなどきどきを感じるはずだ。そして別れ際に「ありがとう」を言おう。これだけで脳血流は増え、中性脂肪は下がり、善玉のコレステロールが上昇してくる。いいどきどきは悪いどきどきを抑えてくれる。

第20回未病・エニグマ症例検討会が開催されました!

平成25年2月22日(金)19:00~
八重洲富士屋ホテル(東京)



座 長:相馬 正義 日本大学医学部 総合内科 教授
    萩原 万里子 都立大塚病院 内科(神経内科)医長

総合診療医のための
参加者と考える謎解きの4症例


<症例1>のどの渇きと多尿が気になる60歳男性
                  立川相互病院 内分泌代謝内科 青木 由貴子

<症例2>なかなか治らないしゃっくりでしびれが出てきた42歳女性
                  日本大学医学部付属病院 消化器肝臓内科 岩本 真帆

<症例3>2年間で26kgの体重減少を呈した51歳女性
                  国立国際医療研究センター国府台病院 内科 箱島 有輝

<症例4>母親が肺炎で亡くなったことにショックを受けた血小板低下の続く44歳男性
                  土浦協同病院 内科 高部 和彦





写真1-2








☆第21回未病・エニグマ症例検討会は11月9日(土)を予定しております。





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